16年という月日
2000年11月25日
私は東京ドームにいた
当時、東京の学校に通っていた友人とともに
数か月前からワクワクドキドキしながら楽しみにしていた
だが、2日前に受け入れがたい衝撃が走る
さいたまスーパーアリーナでのライブ終了後に緊急会見
会見後初のライブになる当日は会場周りにはマスコミクルーがたくさんいた
いつもどうり始まるのか
どう受け止めればいいのはわからないまま開演時間を迎える
開演時間になると、ひとり佇む彼がいた
マスコミ先行で知ることになった突然の報告
天井席で柱真横だったため表情はわからなかったが
言葉を選びながらゆっくりと話している
拒んでも仕方のない時期、彼の選んだ道
ぽつりぽつりと「おめでとう」の言葉につられ受け入れざるを得なかった
一通り終わり、通常のライブが始まった
厳密にいえば通常じゃなかったかもしれない
MCでも触れないわけにもいかず
メンバーみんなが手探りだったかもしれない
全員20代だったのだからそれもしかたがなかっただろう
らいおんハートの話題になり
ドラマの主題歌なのにいつの間にか木村さんの曲のようになっているとか
手袋をはめるときにマイクに入らない声で“さみぃ~”って言ってたり
真夏から秋にかけてのライブだったために衣装が寒く感じるとか
木村さんの衣装がオレンジの冬仕様で、真夏は暑かったけど今はちょうどいいとか
ところどころしか記憶にない
ライブ終了後にもマスコミたちは出てきた女性たちに片っ端にインタビュー
(私は訊かれなかったし、訊かれても答える気はなかった)
本来なら、ライブ中にマスコミに漏れてあんな報告の仕方はしたくなかっただろう
あんなにも入ってこないライブは後にも先にもあの日だけかもしれない
今でもライブDVDを見るけど全く記憶は蘇ってこない
らいおんハートのマルチアングルを見て
中居さんの美しくも切ない表情を見ただけで心が痛くなる
他のメンバーまでたどり着かない
それは16年経っても未だ観ることができていない
私に
いつかもし子供が生まれたら
あの時のことが受け入れられる日が来るのだろうか。
と、綴りながら思う。
いつでも彼らは自分の言葉で私たちに気持ちを伝えてくれた。
だから今回も、と、今でも待っている。